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施設長ノート:第5回 それぞれの色、それぞれの力

施設長ノート:第5回 それぞれの色、それぞれの力

2026年07月21日 16:43

7月20日の海の日に、グループホームの入居者3人と、市川市のニッケコルトンプラザと千葉県立現代産業科学館へ出かけてきました。



やすらぎの里北小岩では、特別養護老人ホーム、障害者グループホーム、重症心身障害児の施設など、

高齢者・障害者・こどもの施設を一緒に運営しています。

その中でも特徴的なのが、自閉症のある方への支援に特化したグループホームです。

このようなグループホームは全国にもありますが、専門的な支援を行う住まいは、まだ十分に多いとはいえません。



そのグループホームで暮らす皆さんとコルトンプラザへ行くと、ランチを食べ、本屋でゆっくり本を見て、

近くの産業科学館で実験ショーを見たり、図書室で本を読んだりし、最後にサーティワンでアイスを食べる。

これが、私たちの定番の一日です。



この日は、コルトンプラザで、うちわに絵付けをする体験会が開かれていました。

会場の横を通った時、3人とも「やってみたい」というので、私も一緒に、それぞれうちわの絵付けに挑戦しました。

講師の方に教えていただきながら、皆さん思い思いの色を使い、集中して取り組んでいました。



自閉症という言葉からは、漢字の印象で「自分の殻に閉じこもる」「心を閉ざしている」と想像されがちです。

しかし、もとになったドイツ語や英語には、日本語の「自閉」ほど直接的に「自分を閉ざす」という意味が含まれているわけではありません。



なぜ日本語では、このような表記になったのでしょうか。

この漢字が、かえって自閉症のある方への誤解につながっている面もあるのではないかと、私は思っています。



私は、これまでの関わりの中で、何度となく皆さんの持つ力に驚かされてきました。

もちろん一人ひとり違いますが、鋭い味覚、驚くほどの記憶力、一度見たものを覚える力、模倣する力など、

周囲がすぐには気づかない優れた力を持っている方もいます。



一方で、私が関わってきた方々は、自分の得意なことを、ことさらにアピールすることはありませんでした。

もし、自分の内側にあるものを簡単には見せないことを「閉ざす」と呼ぶのであれば、

少しだけ当てはまるのかもしれません。



しかし、決して自分の殻に閉じこもり、友達を作ろうとしないわけでも、心を閉ざしているわけでもありません。



確かに、言葉で自分の気持ちを表したり、会話を続けたりすることが難しい方はいます。

それでも、人と関わらないわけではありません。

同じ時間、同じ空間にいながら、それぞれが思い思いのことをして過ごすことはあります。

でも、それは人と関わりたくないということではないのだと思います。



うちわが出来上がった時の皆さんの顔は、充実感と満足感に満ち、互いに笑顔を交わしながら、

その喜びを分かち合っているように見えました。



海の日は、仲間と一緒に楽しい夏の思い出をつくった一日になりました。